英国見聞録004 地下鉄のパフォーマー


「ものもらい」の人とは別なんですが,ロンドンで地下鉄に乗るために
エスカレーターをおりていくと,必ずといっていいほどいわゆる
ストリートパフォーマーがいました。
たいていは,ギターやバイオリンなどの楽器を弾いていました。
そして,それぞれの人の前にその楽器のケースが置いてあって,
演奏が気に入った人が,そこにお金を投げ込んでいくようになっていました。
これには,ほんとうにいろんな人がいましたね。
なかには,学校で使っているようなアルトリコーダーを吹いている人もいたし,
カセットに合わせて歌を歌っている人もいました。
ビックリするくらいきれいな若い女の人が,
ビックリするくらいじょうずにフルートを吹いていたこともありました。
ただ,動き回るような,いわゆる大道芸をする人たちはほとんどいませんでしたね。
場所が狭いし,エスカレーターでおりてくる人たちが対象なので,
見にくいものはダメなんでしょう。
その点,音楽なら遠くからでも聞こえますもんね。
それぞれ,どうせ練習するなら人前で,しかもお金がもらえるなら
いうことないって感じなんでしょう。


最近は日本でもよく駅なんかにこういうストリートミュージシャン
見かけるようになりましたが,
彼らの場合は「おれたちの演奏を聴かせてやるぜっ」
というような雰囲気があって,僕はあんまり好きではありません。
ま,これも僕が歳をとったからなのかもしれませんけどね。


そういえばスコットランドの首都エジンバラへ行ったとき,
ちょうどお祭りのシーズンだったからでしょうか,
街のあちこちにたくさんの大道芸人がいました。
これは日本ではあんまり見ないけど,けっこうこってる芸もあって,
見ていて飽きなかったですね。
その時には,一輪車で綱渡りをしながら,バイオリンを弾くという芸が
いちばん印象的でした。