「ものもらい」の人とは別なんですが,ロンドンで地下鉄に乗るために
エスカレーターをおりていくと,必ずといっていいほどいわゆる
ストリートパフォーマーがいました。
たいていは,ギターやバイオリンなどの楽器を弾いていました。
そして,それぞれの人の前にその楽器のケースが置いてあって,
演奏が気に入った人が,そこにお金を投げ込んでいくようになっていました。
これには,ほんとうにいろんな人がいましたね。
なかには,学校で使っているようなアルトリコーダーを吹いている人もいたし,
カセットに合わせて歌を歌っている人もいました。
ビックリするくらいきれいな若い女の人が,
ビックリするくらいじょうずにフルートを吹いていたこともありました。
ただ,動き回るような,いわゆる大道芸をする人たちはほとんどいませんでしたね。
場所が狭いし,エスカレーターでおりてくる人たちが対象なので,
見にくいものはダメなんでしょう。
その点,音楽なら遠くからでも聞こえますもんね。
それぞれ,どうせ練習するなら人前で,しかもお金がもらえるなら
いうことないって感じなんでしょう。
最近は日本でもよく駅なんかにこういうストリートミュージシャンを
見かけるようになりましたが,
彼らの場合は「おれたちの演奏を聴かせてやるぜっ」
というような雰囲気があって,僕はあんまり好きではありません。
ま,これも僕が歳をとったからなのかもしれませんけどね。
そういえばスコットランドの首都エジンバラへ行ったとき,
ちょうどお祭りのシーズンだったからでしょうか,
街のあちこちにたくさんの大道芸人がいました。
これは日本ではあんまり見ないけど,けっこうこってる芸もあって,
見ていて飽きなかったですね。
その時には,一輪車で綱渡りをしながら,バイオリンを弾くという芸が
いちばん印象的でした。