英国見聞録024 スイカには塩でしょう!?

前にも書いたように,日本では当たり前のことでも,
イギリスでは変なことって,けっこうあるもんです。
今回は,スイカのお話しです。
もちろんイギリスにもスイカはあります。
日本のものほど甘くないですけどね。
ある日,下宿でスイカを食べたのですが,
なにげなく日本にいるときと同じように塩をかけたら,
下宿のおばさんや子どもたちにとても変な顔をされました。
僕がいくら,こうやって塩をかけると甘くなっていいんだと,といっても
彼らは全然信じようとしませんでした。
僕もちょっと意地をはって,塩をかけたスイカを彼らに食べさせてみましたが,
すぐにペッとはきだしていました。
やれやれ。


そういえばある日,日本の味がなつかしいだろうと思ったのか,
奥さんがイギリスにいる僕にようかんを送ってくれました。
これはものすごくうれしかったですね。
日本にいるときには甘いものはほとんど食べないんだけど,
たとえばようかんなんて,イギリスにいたら食べようと思ったって,
なかなか食べられないわけです。
毎日の生活の中で,なにげなくふっと食べたいなって思っても,
それが手に入らないと思うと,もう無性に食べたくなったりするわけですよ。
もちろんイギリスにもお菓子はあるし,甘いものもあるんだけど,
たとえば日本のようかんのような,まろやかで,繊細で,
上品で,まったりとしてて,それでいてコクがある甘さっていうのにかけるんですよね。
で,さっそくそのようかんを食べたんですが,
せっかくだからと思って,下宿のおばさんや子どもたちにも,
ちょっと食べてごらんよ,おいしいよ,ってな感じでおすそわけしたんです。
そしたらおばさんは「なんだか複雑な味だねえ」といい,
トムは「きらいな味じゃないけどさ」といい,
2人とも一口以上食べようともしませんでした。
ジェシーにいたっては,においをかいだだけで「いらな〜い」といっていました。
やれやれ。