英国見聞録012 日本語の方言=英語の方言?

冬休みになりましたので,このブログも学校での子どもたちの様子については
お休みをして,夏休みの時と同じく,「英国見聞録」を掲載していきます。
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それでは,第12回「日本語の方言=英語の方言?」です。


イギリスには,全国各地の英語教師12名といっしょに行きました。
そのメンバーたちとは,わりと一緒にいることが多かったんですが,
大学での授業が始まって2週間ぐらいしたときに,
おもしろいことに気づきました。
それは,英語を話すときも方言のように聞こえるということです。
つまり,熊本から来た人はもちろん日本語は熊本弁なんですが,
よく聞いてみると英語で話すときも,何となく熊本弁のように聞こえるっていうことです。
そんな馬鹿なって思うかもしれないけど,
じっさい東北弁の人は,英語もなんだかズーズーって感じなんです。


もちろんイギリス人の話す英語にもなまりはあります。
例えば有名なところで,ロンドンの下町の人が話す英語は「コックニー」といって,
他の地域の人々にはとても聞き取りにくいようです。
ちょうど日本語の「てぇやんでぇー,べらぼーめ」とかの江戸っ子の言葉と感じが似ているようです。


僕がいたバーミンガムにも,バーミンガムアクセントというのがありました。
標準的な英語とアクセントの位置が違うんです。
他の地域の人と話していると
「そうか,きみはバーミンガムに住んでいるのか。じゃあ変な英語にならないように気をつけたまえ」
とか,よくいわれました。


そのバーミンガムで暮らし始めて半年ほどたったある日のことです。
僕は,そのころけっこう英語に対して自信もついてきて,
日常会話ではまず不自由することはなかったんですが,
下宿していた家のガスがこわれて,修理のおじさんがきたんです。
ちょうどそのとき家には僕しかいなくて応対したんですが,
そのおじさんのいっていることが,まったく,さっぱり,ぜんぜんわかりませんでした。
そのおじさんが話していたのが,純粋なバーミンガムアクセントの英語だったということが
あとからわかったんですが,そのときは「僕の英語もまだまだ修行がたりん」ととてもショックを受けました。