退任のあいさつ

うらうらに 照れる春日に ひばり上がり
こころ悲しも ひとりしおもへば
万葉集大伴家持


去っていく春、過ぎ去っていく自然の移ろいに対して、
自然への郷愁の念にかられています。
仕事から追われる自分から解き放たれ、あらゆるものを惜しむ気持から、
「こころ悲しも」の情がふつふつとわいてきます。


このたびの人事異動で、横須賀小学校を最後に定年退職となり、
38年間の教員生活を終えることとなりました。
本校では、3年間お世話になり、保護者や地域の方々には、
本校の教育活動にご理解・ご支援を賜り、厚くお礼申しあげます。
教育改革時に特色ある学校づくりをめざす過程で、
PTA役員・理事やコミュニティの役員の方々がパイプ役となり、
地域こぞってご支援をいただき、この場をお借りして感謝申し上げます。


振り返ってみますと、日々の子どもたちの変容・成長が私に活力を与えてくれました。
授業参観では、先生の問いかけに目を輝かせて答える子どもたち、
友達同士ときに意見を闘わせ、認め合い、共に学ぶ喜びが、
皆の表情にきらめきを与えているようです。


歌声のハーモニー、各種応募作品の入賞、各種運動種目の入賞等、
様々な取り組みの中で子どもたちは着実に成長し、
私も全体を見守ることができました。
今後も、新体制のもとで横須賀小学校が発展することを祈念しまして、お別れの言葉とします。

平成22年3月31日
若 山 栄 一