英国見聞録016 magic word(魔法のことば)


横須賀小学校 教頭の鈴村 俊二です。
昨年度に続いて,長期休業中のこのブログには,
『英国見聞録』のお話を不定期で載せていきたいと思います。
それでは,第16回「magic word(魔法のことば)」の巻です。


下宿のおばさんは,学校の講師みたいなことをしてた人なんだけど,
子どもたちの教育にはけっこううるさかったです。
特にマナーについては,いつも厳しく言っていました。
たとえば子どもたちが「テレビのリモコンとって」
とかいうようなことをおばさんにいうと,
彼女は必ず「magic word は?」といっていました。
magic word,つまり魔法のことばですね。
これは何かわかりますか。
そう,please のことです。
それをいえば願いが叶うということばなんです。
あと,Thank you. も大事なことばですね。
よく日本語と英語の違いは,敬語があるかないかだというようなことがいわれますが,
これは間違いですね。
英語でも,コミュニケーションを図る相手によって,
同じ内容を表す場合でも,様々な表現のしかたがあります。
でも,とにかく相手に何かを頼むときは,
いつも magic word を忘れないようにしたいものですね。


そういえばおばさんは,子どもたちをしかるときに,
よく僕を引き合いに出して「ちょっとはシュンを見習いなさい,
こんなに礼儀正しい人はいないよ」なんて言っていましたが,
そりゃ,いちおう他人の家に下宿してるんだからそれなりに気はつかうし,
子どもたちと一緒にされたんじゃあねぇ。
で,あるとき気づいたんですが,子どもたちはしかられても
なかなか "I am sorry." と言いません。
これは,謝ってしまったら,自分が悪いことを認めたことになるからなんでしょうね。