英国見聞録009 IPPON

僕が下宿をしていた家には,トムという中学生の男の子と,
ジェシーという小学生の女の子がいました。
イギリスについて10日ほどたった頃でしょうか,
この子たちが柔道を習っているというので,僕もついていきました。
町のスポーツセンターみたいなところでやるんですが,
けっこうたくさんの子どもがいてビックリしました。
ちゃんと黒帯のイギリス人の先生が教えていました。
その先生は,日本人の僕を見てなんだかちょっといやな顔をしましたが,
あえて知らんぷりをするような感じで,子どもたちに教えていました。
あはは。

ちなみに,もちろん英語でも「一本」は「Ippon」だし,
ほかの専門用語(例えば「技あり」とか)も基本的に日本語のままです。
トムやジェシーが,僕のことを教えたのでしょう。
その柔道教室が終わった後で,何人かの子どもたちが僕のところへやってきました。
で,「『一本』ってどういう意味?」とか聞いてきました。
これは困っちゃいましたね。
だって,日本語でもなんで「一本」っていうかなんて知らなかったですから。
ま,「『背負い投げ』ってどういうこと?」ぐらいなら,なんとか教えれるけど。
ともかく,僕の受けた印象では,イギリスでは空手よりも柔道の方が人気があったようです。