英国見聞録008 あこがれのウィンブルドン


僕は高校・大学とテニス部に入っていました。
だから,イギリスに行ったとき,絶対にウィンブルドンに行きたいと思っていました。
ウィンブルドンというのは,世界一のテニスプレーヤーを決める大会が行われる場所です。
この大会で勝った選手だけが,世界一と認められるんです。
僕もそうでしたが,テニスをやる人にとってはウィンブルドン
プレーをするというのが夢なんです。


そして6月のある日,金曜日の午後の授業が終わってからすぐ電車に乗り,
あこがれの地ウィンブルドンへ行きました。
バーミンガムからロンドンまで約1時間半。
そこから地下鉄で30分ぐらい。
そして午後4時半ごろ着いて,さっそく列に並びました。
でも入場できる人数は制限されていて,ひとり帰るたびにひとり入場できる
というしくみでした。
なんとか入場できたのは夕方の6時すぎでした。
6時っていうとずいぶん遅いような感じですが,
この時期のイギリスは10時くらいまで明るいんです。
で,とりあえずこの日は,何試合か見ておしまい。
そのとき,センターコートで僕が当時大好きだったイヴァノセビッチという選手が
試合をしていて,ものすごく盛り上がっていたので,とてもうらやましかったです。
(あとでわかったのですが,相手にマッチポイントをとられながらも,
イヴァノセビッチが大逆転勝利をおさめたんです。)


そして,次の日。
ウィンブルドンでは,チケットの前売りというのはいっさいやらないので,
朝の4時半(!!)に列に並びました。
驚くことに,並んだ人に配られる番号が書いてあるシールをみたら,
その時点でもうすでに600人ぐらいが並んでいましたよ。
でも,努力のかいあって,センターコートは無理でしたが,
No.1コートのチケットが買えました。
結局,12時半ごろ入場して,2時からの試合を見たんですが,これがまた大感激。
最初はアラン・サンチェス,次にボリス・ベッカー
そして最後はシュテフィ・グラフの試合を,ほんの2mぐらいの距離でみていて,
もうワクワクドキドキしっぱなしでした。
特にグラフはものすごく強くて,結局このあとこの大会で優勝しましたが,
僕がみた試合も3セットマッチを,なんと34分で終わってしまいました。


そして夜,下宿に帰ってテレビを見ていると,
「Today's Wimbledon」という番組でその日の試合をダイジェストでやっていました。
(日本でいうと,プロ野球ニュースとか大相撲ダイジェストとかにあたるんでしょうか。)
そしたら,No.1コートの一番前に座ってグラフのプレーをみている僕が,
ばっちりテレビに映っていてうれしかったです。
ちなみに,ウィンブルドンやその他のスポーツでも,
ミュージカルや劇やコンサートなんかでも,
チケットは日本にくらべればものすごく安いです。
ウィンブルドンのNo.1コートは18ポンドでした。
日本円になおすと,当時のレートで3,500円ぐらいです。
世界一を決める試合がたったの3,500円。
安いでしょ。